『労働契約書』の未締結に関する賠償
【案 例】
2020年10月8日、社員AはB社に入社し営業マネージャーの職に就いた。Aは2021年10月6日の時点でB社と書面の『労働契約書』を取り交わしていなかった。2021年10月7日、双方は書面の『労働契約書』を取り交わし、Aの労働期限を2020年10月8日から2022年10月7日までと約定した。
2022年にA は辞職すると同時に仲裁を申請し、B社に『労働契約書』未締結期間の2倍給与相当の差額賠償を要求した。
【判決結果】
雇用企業と労働者が労使関係を確立した後に、勤務開始日から1ヶ月以内に書面の労働契約書を取り交わさず、一定期間の労使関係が存続した上で、労働契約書の取り交わしを補い、労働期限を実際勤務開始日から起算した場合、雇用企業及び労働者が合意に達したとみなす。
Aの労働権利は既に労働契約書の補足締結の形で保障できたため、労働契約書の補足締結が本人の真実の意思表示でないことを証明できない限り、Aの2倍給与の賠償請求に対し、裁判所はこれを支持しない。