サービス提供期間未満の退職における研修費用負担について
【案 例】
Aさんは2015年R社に入社しました。2017年3月、双方は『研修契約書』を取り交わし、以下の条項を約定しました。
・Aさんは3ヶ月間の研修を受け、会社が費用を負担する。
・研修終了後、Aさんは同会社で5年間サービスを提供しなければならない。でなければ、研修期間中の給与、手当、研修費などを会社に返還しなければならない。同時にサービス提供期間の未満年数が1年増すごとに1万元の違約金とその他の損失を賠償しなければならない。
同研修費用は計8,000元でした。また、R社はAさんに研修期間中の給与を支給しました。
研修終了後、Aさんは職場に復帰し、2021年8月にR社に退職を申し出ました。そのため、R社は労働仲裁を提起し、Aさんに研修期間中のすべての費用返還及び違約金の支払を要求しました。
【仲裁結果】
裁判所は審理を行った上、下記の内容を認定しました。
・『研修契約書』のサービス提供期間未満における研修期間中のすべての費用返還約定は労働契約法の関連規定に反する。よって、R社のAさんに対する研修期間のすべての費用返還の要求は証拠が不足である。
・Aさんが退職を申し出た際、サービス提供期間満了日まで残り48日間であったため、R社に当該48日間の研修費用分を違約金として支払うべき。
【案例意義】
労働報酬を得るのは労働者の重要な権利であり、雇用企業は法に反してサービス提供期間未満を理由に研修期間中の給与返還の約定を行い、異なった形式で労働者に違約金を支払わせるのは違法です。