外部労働者の残業及び年次有給休暇について
【ご質問】
深セン市であるA企業は労働請負業者と業務受託契約書を取り交わしており、時給外注及び生産高外注の二種類があります。時給外注の業務委託契約書において、単価が一つだけ合意され、残業時間の単価が約定されておりません。生産高外注の業務委託契約書において、基本給のみが約定されています。
このような約定は合法的であるか、労働者に給与全額を支払われたと見なすことができますか。また、労働者の年次有給休暇について、企業と労働請負業者はどのように約定すればよいでしょうか。
【回 答】
1.「深セン市中級人民裁判所の『労働争議案件の審理に関する指導意見』の説明」によると、支払われた残業代の適法性を判断するための計算方法は、
例として、労働者が当月に16時間残業し(平日の残業)、当月の給与は3500元である場合、その計算方法は下記となります。
①最低時給基準は、2360元 ÷ 21.75天 ÷ 8時間= 13.56元/時間。
②当月の残業代は、13.56元 × 16時間 × 1.5倍 = 325.44元。
③3500元 - 325.44元 = 3174.56元 > 2360元(深セン市最低賃金基準)
⇒そのため、
残業代を差し引いた後の金額は、現地の最低賃金基準より高い(本数を含む)場合、支払われた残業代は合法となります。逆に、現地の最低賃金基準より低い場合、合法ではありません。
2.「深セン市中級人民裁判所の『労働争議案件の審理に関する指導意見』の説明」によると、双方が生産高による給与を支払うことを約定している場合、労働者の給与、労働時間及び法定の残業代計算乗数に基づいて換算した時給は、最低賃金基準を下回らなければ、企業が支払った給与に残業代が含まれているとみなされます。
3.労働者と請負業者の間で取り交わされた『労働契約書』により、労働者との労使関係は請負業者に帰属します。原則として、労働者が請負業者に入社後、法律規定に従い相応の条件を満たした場合、請負業者に年次有給休暇を申し出ることができるものとします。
しかし、労働者が請負業者に入社後、実際的には雇用企業のために労働を提供しているため(派遣社員と同様)、年次有給休暇をすべて請負業者に負担させることも不公平となります。そのため、企業は労働請負業者と具体的な対応策を協議する必要があります。