労災に遭った従業員の処理
【ご質問】
従業員が業務により負傷し、企業は労災手続きに基づき対応しました。この従業員の体調が回復した後、会社は改めて業務ポストを手配しましたが、健康診断を受けた結果、体調がやはり思わしくありませんでした。この場合、企業はこの従業員と労使関係を解除できますか。
【回 答】
この従業員の状況について、強制的に労働契約を解除することはできません、理由として、
①法律上において、制限規定があります。
『労働契約法』第42条第2項に「業務上の負傷により、労働能力を喪失或いは一部喪失したことを確認した場合、雇用企業は『労働契約法』第40条、第41条に基づき、従業員と労働契約を解除することができない」と規定されています。
②また、会社が「体調不良により、会社出勤に適していない」との理由で解雇するのは、法律で規定された理由でなく、根拠もありません。
よって、雇用企業は「協議による労使関係の解除」を採用するしかありません。但し、従業員本人の同意が必要となります。