企業法律事務の質疑応答(八)
【ご質問】
「不定時勤務制」(労働部門に申請済み)を実施している社員は私用で数日連続して遅めに出勤したいと会社に連絡しました。本人は不定時勤務制を実施しているので、フレックスタイムが適用され、休暇を取る必要がないと考えています。しかし、会社は仕事により遅めに出勤するなら構いませんが、私用で遅れて出勤する必要がある場合は、やはり私用休暇を申請する必要があると考えています。
こういった状況をどのように対応したほうがよいでしょうか。
【回 答】
1.法律の規定により、「不定時勤務制」が適用される社員に対して、雇用側はある程度柔軟な勤務時間を採用するとともに、社員の休暇権利および生産、仕事任務の完成を確保しなければなりません。日本的に言われる「フレックスタイム」とは厳格に定義が異なります。また、「不定時勤務制」を適用することにより、私用により休む際、私用休暇手続きを行わなくても良いという規定はありません。
2.上記社員の遅れて出勤する問題に対しては、なるべく部門内でこの社員と話を行い、考えを是正し、正常に出勤させる必要があります。
⇒ 理由 どのような勤務制度を実施したとしても、私用により正常に出勤できない場合は、私用休暇を申請し、関連する手続きを行わなければなりません。
※提示
上記の状況を踏まえ、企業側は実際状況に応じた「不定時勤務制」の関連規定――勤務時間、休憩時間、休暇、仕事任務等を制定したほうが良いでしょう。