企業法律事務の質疑応答（二）
【ご質問】
在職従業員が盗難事件に関係しているため、長時間警察に身柄を拘束されています。
会社は当該従業員と労使関係を解除できますか？できる場合、どうの理由で解除したほうがよいでしょうか？
【回 答】
貴社の『就業規則』において、[従業員が「会社または他人の財物を盗む」、「刑事責任を追及された」などの事項がある場合、解雇できる]ことが明確に規定されている場合、会社はこれらの規定に従い、対象従業員を解雇することができます。
ただ、その場合、会社は実際の状況に基づき、ケースバイケースで対応する必要があります。
1．「刑事責任を追及された」ことを事由に従業員を解雇する場合、裁判所の有罪判決が必要です。つまり、裁判所が有罪判決を下したかいなかが明確ではない段階では、この理由で従業員を解雇しないほうがよいです。
2．盗難事件に関係している従業員は長時間警察に身柄を拘束されるため、盗難事件に参加したことはほぼ確定できると考えて間違ないでしょう（犯罪を構成するかいなかを問わず）。そのため、会社は「会社または他人の財物を盗む」の理由で解雇処分を与えることができます。