企業の一方的な競業制限協議書の解除
【質 問】
Ａ会社が従業員と締結している『競業制限協議書』は、期限を約定していません。そのため、対象従業員の職場調整後（技術ポストから後方勤務へ異動）、明確な対応方法がありません。
1．会社は随時一方的に競業制限協議書の解除を申し出ることができますか。
2．会社側が競業制限協議書の解除を申し出るプロセスはどのようなものですか。
【回 答】
・競業制限協議書を取り交わした後、労働契約の履行期間において、企業側が当該従業員にもはや競業制限の必要がないと判断した場合（例 従業員のポスト変更、秘密情報に接触しない）、企業側は一方的に競業制限協議書の解除を申し出ることができます。
・企業側が競業制限協議書の解除を申し出る場合、書面形式により『解除通知書』を送達し、従業員に署名受け取りをさせるべきです。
・その際、従業員が署名受け取りを拒否する場合、送達人員（2名）は通知書上に送達時間、場所を明記し、その後再度メール形式で告知を行います。
⇒ 不必要な紛争を回避するためにも、企業と従業員が締結する『競業制限協議書』にて「本協議書の締結後、甲が乙は競業制限義務を履行しなくても良いと判断した場合、甲の書面による乙への通知により、本協議書は直ちに解除される」旨を約定することをアドバイスします。